GIF画像を作成したり表示したりする際には、Unisys 社の特許技術が必要なため、例えば下記のような行為が禁止されています。
GIFでは画像データ部分を「LZW(Lempel Ziv Wilch)圧縮法」という技術で圧縮していますが、この技術が米国 Unisys 社の特許になっています。1985年に「High speed data compression and decompression apparatus and method」(USP4,558,302)というタイトルで米国で特許が成立しました。続いて日本でも特許が成立しています。基本的には、「AAAAAAAA」というデータの並びを「A×8」のように圧縮する技術の延長だそうです。
Microsoft や Netscape の一般向け製品や、PhotoShop などの大半の有償ソフトは既に Unisys 社と契約済みのソフトなので大丈夫です。心配であれば、マニュアルを調べたり、製造元に確認してみてください。個人が開発しているフリーソフトは未契約のものが多いかもしれません。
Windows XP の「ペイント」が、標準で GIF をサポートしました。アニメーション GIF には対応していませんが、BMP 形式で保存されたファイルを GIF 形式に変換することができるようです。他に、GIF を扱える安価なソフトとしては Pixef2(1,680円)などがあるようです。
「とほほカウンター(WwwCounter)」に含まれる gifcat.pl でも GIF ファイルの連結という GIF 関連操作を行っていますが、これは、GIF ファイルのヘッダ部分の操作と画像の連結のみであり、GIF ファイル中の圧縮された画像データを解凍したり圧縮したりはしません。Unisys 社の特許には抵触しないことを Unisys 社にも確認済みであり、問題ありません。
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→圧縮→ ←解凍← |
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+ |
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↓GIFアニメ化(データ部の圧縮・解凍は行わない)↓ | ||||||||||
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開発環境やライブラリが GIF 画像を表示する機能をサポートしており、それを利用したアプリケーションを作成するだけでも、Unisys 社との契約が必要な場合があります。ライブラリの提供者が既に Unisys との契約を結んでいる場合もありますが、Microsoft のライブラリや Java などでは、そのライブラリを利用する側が個別に Unisys 社と契約する必要があります。
ここで、GIF に関する歴史を簡単に振り返ってみます。
「特許なんだから特許料を取るのはあたりまえ」という見方もありますが、問題はその経過にあります。それは、当初「フリーソフトに関しては特許料を徴収しない」と宣言しておいて、数多くのフリーソフトが開発&配布されるようになった後で、「やっぱり、徴収する」といったやりかたは感心できません。GIF が広まったのは LZW という技術のすばらしさだけではなく、数多くのフリーソフトに支えられていたと思うのですが、これでは「詐欺」と呼ばれるのもうなずけるように思えて仕方ありません。
GIF の特許問題を回避するため、LZW 特許を使用しない新しい画像フォーマット PNG(Portable Network Graphics)が W3C で開発されました。機能的にも GIF より優れていますが、GIF アニメーションをサポートしていない、古いブラウザでは表示できない、IE4~IE6 では透過処理に問題がある、などの理由で、なかなか普及には至っていないようです。
Unisys の特許は米国で 2003年、日本で 2004年頃に有効期限が切れるそうです。それまで待てば、あとは安心して GIF を使用できるようになるかもしれません・・・が、しかし、日本はともかく、米国では保有する特許に改良を加える事によって特許の期限を延ばしたりすることが可能らしいので、ちょっと怪しいかもしれません。
米国で 2003年6月20日、特許の有効期限が切れました。心配されていた期間延長目的の追加特許の申請も無いようです。日本でも 2004年6月20日に有効期限が切れます。もう少しの辛抱ですね。
日本でも 2004年6月20日、特許の有効期限が切れました。Giam などがフリーソフトとして復活しています。(2004.6.20追記)