一昔前の電子メールはテキスト(通常の文字)しか送信することができませんでしたが、最近は、HTMLで記述された飾り付きのメールを送信することができるようになりました。利用者の一番多い Outlook Express では、HTMLメールが標準のモードとなっており、知らず知らずの内に、HTMLメールを送信している人も多いようです。
電子メールの表現力が向上するのはそれはそれでよいことなのですが、困った問題もあります。
Outlook Express では通常に読める以下のメールですが・・・
やっほ、元気? 今度どこかに遊びに行こうよ。
他のメールソフトで読むと、フォントが異様に小さく表示されてしまったり、
やっほ、元気? 今度どこかに遊びに行こうよ。
次のように、添付ファイルとしてメッセージが表示されてしまったりします。
Part 1.1 | Type: Plain Text (text/plain) Encoding: 7bit |
また、私は会社ではたまに、UNIX の古いメールソフトを使用することがあるのですが、このメールソフトのようにHTMLメールに対応していないメールソフトで上記のメールを読むと、次のように表示されます。
UNIX メールソフト(例) |
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This is a multi-part message in MIME format. ------=_NextPart_000_0006_01BED310.08D273E0 Content-Type: text/plain; charset="iso-2022-jp" Content-Transfer-Encoding: 7bit やっほ、元気? 今度どこかに遊びに行こうよ。 ------=_NextPart_000_0006_01BED310.08D273E0 Content-Type: text/html; charset="iso-2022-jp" Content-Transfer-Encoding: quoted-printable <!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.0 Transitional//EN"> <HTML><HEAD> <META content=3D"text/html; charset=3DcsISO2022JP" = http-equiv=3DContent-Type> <META content=3D"MSHTML 5.00.2014.210" name=3DGENERATOR></HEAD> <BODY bgColor=3D#ffffff> <DIV>=1B$B$d$C$[!"855$!)=1B(B</DIV> <DIV>=1B$B:#EY$I$3$+$KM7$S$K9T$3$&$h!#=1B(B</DIV> <DIV> </DIV></BODY></HTML> ------=_NextPart_000_0006_01BED310.08D273E0-- |
いちおう、前半部分で内容は読めるのですが、本文以上に大きなゴミがくっついたメールを読みたくはありません。しかも、添付ファイルがある場合は、ゴミの後ろにくっついたりするので、ゴミ部分もあながち読み飛ばす訳にいかなかったりします。
UNIXメールソフトの例を見るとわかるように、HTMLメールではたった2行のメッセージなのに、実際は、通常テキストとHTMLテキストを両方送信しています。しかも、いろいろなヘッダまでついているため、メールのサイズは非常に大きくなっています。サイズが大きくなると、ディスクの枯渇、ネットワークの高負荷、転送時間の増大、検索時間の増大などの問題を引き起こします。
HTML の記述力も年々高度になっていますが、その分、HTML メール経由で感染するウィルスも無視できなくなっています。昔は添付ファイルを開かなければ感染しないのが普通でしたが、最近はメールの本文を開いただけでも感染してしまう例があります。HTMLメールは信頼できるものしか開かない。そんな状態に持っていければよいのですが・・・。