1970年代、UNIX環境では ed というラインエディタが使用されていました。ed は Edit の略だと思われます。ラインエディタなのでファイルの中身をビジュアルに表示することもできず、カーソルを上下に動かすこともできず、下記のような編集をしていました。
$ ed -p : file.txt # ed を起動(:をプロンプトとする) 61 # ファイルサイズが表示される :1,$n # 1行目~最終行を表示する 1 This is first line. 2 This is second line. 3 This is third line. :1 # 1行目に移動する This is first line. :s/first/FIRST/ # firstをFIRSTに置換する :1n # 1行目を表示する 1 This is FIRST line. :q # edコマンドを終了する
1975年、Queen Mary 大学のジョージ・クーロリス氏が ed を改良してもう少し人間にやさしいエディタ em (ed for mortals) を開発しました。また、1976年には BSD UNIX の中心人物であるビル・ジョイ氏によって em を改良した ex が開発されました。:visual
コマンドによりビジュアルモードをサポートします。
:visual
ex
にはコマンド名を vi
という名前で起動すると、起動時からビジュアルモードで起動する機能も加えられました。
$ vi file.txt
UNIX 系システムには vi
が標準エディタとして採用されてきましたが、vi クローンのひとつであるブラム・ムールナー氏の vim
が機能強化を行い、次第に、vim
が vi
の代わりに使用されることが多くなってきました。
$ vim file.txt
通常は下記の様にインストールします。
# RHEL7/CentOS 7 # yum -y install vim # RHEL8/CentOS 8/Rocky Linux/AlmaLinux # dnf -y install vim # Ubuntu系 $ sudo apt -y install vim
起動は下記の様に行います。RHEL 系の場合 vim
の代わりに vi
コマンドで起動します。
$ vim a.txt # ファイル名を指定して起動 $ vim a.txt b.txt c.txt # 複数のファイル名を指定して起動(バッファ) $ vim -R a.txt # 読込専用モードで起動 $ view a.txt # 読込専用モードで起動