HIROPON
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1999/11/23(火) 01:43:59
例えば、赤(R:255,G:0,B:0)という色を考えた場合、モニタで
表現される赤の色は純粋な「赤」ではあり得ません。絶対にある程度の
「ズレ」が発生します(レーザーじゃあるまいし、1種類の波長の
光だけが出るわけじゃありませんから(^^;)。
そして、どんな色が出るかはモニタの性能や特性によって変わってきます。
ですから、A社のモニタで出力した赤の色と、B社のモニタで出力した
赤の色が違うということが起こりうるわけです。これを補正して、
どのモニタで見ても同じような発色が得られるようにしようというのが、
カラーマネジメントの考え方です。
具体的には、色をデバイスに依存しないカラースペースを仲立ちとして、
色を変換してやります。例えばA社のモニタでXという色が出力された場合、
カラーマネジメントシステムはA社のモニタ用に用意されたプロファイルを
用いて、X’というかたちで記録します(プロファイルは、そのデバイスで
表示できる色域と、デバイスに依存しないカラースペースとの対応表の
ようなものです)。これをB社のモニタで表示する場合、カラー
マネジメントシステムはB社のモニタ用に用意されたプロファイルを
参照してX’を変換し、B社のモニタ上でXが出力されるようにするのです。
しかし、この方法だと、B社のモニタが正しくXという色を出せる性能を
持っていればいいのですが、モニタの特性上、出せない場合もあり得ます。
これを解決するのがsRGBです。sRGBは一般的なモニタの性能に
合わせて設計されたカラースペースで、この範囲の色域を使っている限り、
ほとんどのモニタで正しく表示されると言われています。
ただ、このカラースペースは汎用性を重視しているため、使える色域が
かなり狭くなっているということには注意が必要です(性能の低い
モニタでも表示できるようにするため)。
もっとも、以上の話はモニタが正しくセッティングされている場合に
通用する話であって、モニタの調整が正しく行われていなければ、何を
やろうと正しい色の再現は望めません。一般的なユーザーを考えた場合、
そんなに厳密にモニタのセッティングを行っていないでしょうから、
Web上での完全な色の再現は無理、と割り切らざるをえないでしょう。
あまり気にしないほうが、精神衛生上いいかもしれません(笑)
なお、Windows環境とMac環境では、こうしたこまごましたカラーマッチングの
問題よりも、標準のガンマ値の違いのほうが色合いに大きく効いてきます。
ガンマ値は画像の中間調の明るさを規定するものですが、Macでは
標準のガンマは1.8、Winでは2.2です。そのため、Macでちょうどよく
見える画像はWinではかなり暗く表示されることになってしまいます。手前味噌ですが、このへんの話はウチのサイトのCG講座のほうでも
ちょこっと扱ってますので興味がありましたら・・・(^^;