パス名 は、ディスク上のファイルの場所を示す名前です。あるフォルダから、目的のファイルまでの経路(path)を示す名前ということで、パス名(path name)と呼ばれています。
□ home ├□ tanaka │├○ index.html │└□ image │ └○ gazou.gif └□ suzuki └○ mywork.html
UNIX系OSでは、フォルダのことを「ディレクトリ」と呼びます。呼び方は異なりますが、同じようなものです。パス名を記述する際は、ディレクトリ名やファイル名をスラッシュ(/)で区切ります。
/directoryA/directoryB/directoryC/fileZ.html
先頭がスラッシュ(/)で始まる場合は、「トップディレクトリの中の」を意味します。次の例は、「トップディレクトリの中の、home ディレクトリの中の、tanaka ディレクトリの中の、index.html ファイルを示します。
/home/tanaka/index.html
現在、自分が居るディレクトリを「カレントディレクトリ」と呼びます。カレントディレクトリにあるファイルは、ファイル名だけで指定することができます。例えば、現在自分が /home/tanaka ディレクトリに居る場合、/home/tanaka/index.html は次のように書くことができます。
index.html
カレントフォルダをひとつのドット「.」で示すこともあります。「このフォルダの中の」を明示したい場合に用います。
./index.html
ひとつ上のディレクトリはふたつのドットで、「..」と書きます。次の例は、「ひとつ上のディレクトリの中の、suzuki ディレクトリの中の mywork.html ファイル」を意味します。
../suzuki/mywork.html
二つ上のフォルダは、「../..」と書きます。
../../home/suzuki/mywork.html
先頭がスラッシュ(/)で始まるパス名を「絶対パス名」、スラッシュ(/)以外で始まるパス名を「相対パス名」と呼びます。
/home/tanaka/index.html ... 絶対パス名 ../tanaka/index.html ... 相対パス名
Windows の場合、パス名はスラッシュ(/)ではなく、バックスラッシュ(\)で区切ります。また、トップフォルダの前には、A: ~ Z: のドライブ名が付きます。
C:\home\tanaka\index.html
ドライブ名を省略した場合は、「このドライブの」を意味します。
\home\tanaka\index.html
先頭がドライブ名や \ でなければ相対パス名、ドット(.)はカレントフォルダ、ドットドット(..)はひとつ上のフォルダというのは、UNIX と同様です。
index.html .\index.html ..\suzuki\mywork.html
HTML や Perl は UNIX 文化から生まれたため、Windows で作業している場合であっても、HTML や Perl のプログラムを記述する際は、UNIX 的なパス名の指定を行います。
<a href="../suzuki/mywork.html">鈴木さんの仕事</a>
UNIX系OS に TELNET などでログインしているときや、Windows でコマンドプロンプトを起動して作業している場合、「ワイルドカード」を用いて複数のファイルを一度に指定することができます。ワイルドカードのひとつ、アスタリスク(*)は「すべての・・・」を意味します。
fileA.txt ... fileA.txt という名前のファイル *.txt ... .txt という拡張子を持つすべてのファイル fileA.* ... fileA.txt や fileA.htm や fileA.gif などすべて * ... すべてのファイル(やフォルダ)
クエスチョン(?)は「任意の1文字」を意味します。次の例は、fileAA.txt や fileBB.txt にマッチしますが、fileA.txt や fileAAA.txt にはマッチしません。
file??.txt ... fileAA.txt や fileBB.txt など
UNIX系OSではさらに、「AまたはBまたはC」を意味する {A,B,C} の形式も利用可能です。下記の例では、fileA.txt、fileAA.txt、fileB.txt、fileC.txt の4つのファイルにマッチします。
file{A,AA,B,C}.txt
UNIX系OSではまた、「いずれか1文字」を意味する [ABC] や [A-C] の形式も利用可能です。
file[ABC].txt ... fileA.txt か fileB.txt か fileC.txt file[A-C].txt ... fileA.txt か fileB.txt か fileC.txt
これらのワイルドカードは、HTML の中で利用するものではありません。例えば、HTML で次のように記述しても、マッチするページが開かれる訳ではありません。
× <a href="file*.html">すべてのファイル</a>