邦画

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12人のやさしい日本人(1991)
もし日本に陪審員制度があったら・・・という設定で繰り広げられるお話。12人の陪審員が召集された。被告はろくでなしの元亭主を殺した罪に問われている若い美女。何事にも衝突は好まず面倒は避けて通りたい典型的日本人の陪審員達は「なんとなく」「勘で」「人殺しをするような人には見えない」「執行猶予付きならどの道無罪といっしょ」なんていう安易な考えであっという間に「無罪」を評決する。しかし一人の男が「話し合って納得した上で決めましょう」と言い出す。はたして被告は「無罪」なのか「有罪」なのか。
三谷幸喜と東京サンシャインボーイズの舞台劇をもとに映画化。元ネタはもちろん名作映画「12人の怒れる男」。個性的なキャラクター達の人物像が少しずつ浮かび上がり、事件の真相が二転三転していくのも面白い。三谷幸喜脚本独特の、真面目な中にコミカルな雰囲気を漂わせる作品です。
スペーストラベラーズ(2000) おススメ
教会の孤児院で育った3人組(金城武/安藤政信/池内博之)が強盗に入ったコスモ銀行。綿密(?)な計画で5分で終わるはずだった襲撃。なのに予想に反して事態はとんでもない方向に進んでいく。人質は窓口業務の女性(深津絵里)、内気な銀行員(甲本雅裕)、ATM機が苦手な電気屋さん(武野功雄)、ぬいぐるみを持つあやしい男(渡辺謙)、険悪ムードの夫婦(筧利夫/鈴木砂羽)。警察に囲まれた彼らは、捜査をかく乱させるために、とんでもないことを思いつく。
原作はジョビジョバという6人組(映画中で解散記者会見する人気グループを演じている)の舞台コント「ジョビジョバ大ピンチ」。劇中アニメ「スペーストラベラーズ」もその後独立したアニメとしてホントに制作されたようです。とにかく台詞や掛け合い、ストーリー展開と登場人物の面白さ可笑しさといったら絶妙。銀行内で奇妙な連帯感や充実感が生まれていくのに引き込まれちゃう。でも現実世界(銀行の外)では事態が深刻になっていくのね。ラストはなんだかしんみりです。
人狼 JIN-ROH(1999)
もう一つの戦後の日本を描いた物語。戦争が終わり復興した昭和30年代の日本で、反政府軍ゲリラ「セクト」を制圧するため「首都警」と呼ばれる特殊機動隊が出動していた。地下水路で追い詰めた「あかずきん」と呼ばれる爆弾の運び屋の少女が自爆。それを目のあたりにした「首都警」特機隊員の伏(藤木義勝)は動揺する。少女の墓前をたずねて姉と名乗る圭(武藤寿美)と親しくなった伏だったが、そこには政治的な罠が隠されていた。
アニメーション作品です。モチーフは「赤ずきん」。”人狼”なんていうので、狼に変身しちゃうのかとワクワクしていたら、ちょっと違っていました。押井守原作でコミックにもなっているシリーズ物だそうです。ストーリーの舞台となる日本はパラレルワールドの昭和30年代。狼のように孤独で、獲物を追い詰め引き裂く残忍さを要求されるトップクラスの特機隊員と、彼を愛した女性の悲しい運命。特筆すべきは映像のリアリティ。実写で俳優を使ったら、こんな配役でこんなカットにして・・・とすべて出来あがってしまいそうな写実感です。抑えた色調が30年代というノスタルジーと政情不安の暗い世の中のイメージを強めているし、なんだか懐かしいような町並みだし。とくに煙草の煙の映像が印象的でした。日本アニメの質の高さをまたまた感じさせていただきましたよん。(でも我が家のおこちゃまにはまだ見せられません。PG-12指定だもん。)
雨あがる(1999)
山本周五郎原作。黒澤明の遺稿となった脚本を映画化。三沢伊兵衛(寺尾聰)は藩を転々とする浪人者。旅の途中大雨で川を渡れず、妻(宮崎美子)と共に安宿で足止めを食っていた。ところが、ふとしたことから剣の腕を城主に認められ、剣の指南役にと請われるのだが・・・。腰が低くて人を切ろうとしない浪人者、「すみません」「大丈夫ですか」と人をいたわるくせに剣の腕は超一流。このギャップが好感が持てる反面武士の反感を買い、なかなかうまくいかない伊兵衛。そんな彼を見守る妻が、内助の功を発揮する。
主人公と妻はぴったりのキャスティング。美しい緑の木立の風景と安宿のエピソードがいいですねぇ。
ジュブナイル(2000) おススメ
ワームホールを抜けてどこからかやって来たかわいいロボット「テトラ」。テトラは祐介(遠藤雄弥)と岬(鈴木杏)、京太郎(大野秀隆)、ユウキ(松岡俊也)に出会い、重力物理学を研究する青年神崎(香取慎吾)をも巻き込んで、謎の宇宙人「ボイド人」と闘う。
うう、うれしい。とほほママはうれしい。日本にも、こんないい少年冒険映画があったのね。恋と友情と冒険とロマンがはいったオススメ作品。脇役サンも味のある人ばっかりだし。テトラ、かわいいし。アニメ「ドラえもん」「オバケのQ太郎」などのエッセンスも入ってて、日本アニメの独特の雰囲気を思い出させる実写作品です。もちろんSF映画やSFアニメの要素もふんだん。宇宙船やボイド人のCGもみどころかな。宇宙人がなんだか人間くさいのがかえってほほえましかったりするよん。我が家のむすめたちにも好評の作品でした。”BOY MEET THE FUTURE Juvenile”。
黒い家(1999)
保険会社に勤める若槻(内野聖陽)の元に一本の電話がかかる。自殺をほのめかすその電話の女性(大竹しのぶ)に「自殺をして保険金は出ても、家族は悲しむだけだ」と告げた彼は名前を聞かれこたえた。その後、名指しである家に呼び出された若槻は、その家の子供の自殺の第一発見者となってしまう。そこから、恐怖は始まった。
1999年、「黒い家」と「鉄道員ぽっぽや」という全く正反対の役どころで日本アカデミー賞主演女優賞にダブルノミネートされた大竹しのぶさんの不気味な演技が光ります。こわーい。
風を見た少年 The Boy Who Saw The Wind
C.W.ニコルの原作をアニメ化。アモン(安達祐美)は不思議な力を持つ少年。彼の「光遊び」という力は、傷を治癒したり、時には強大なエネルギーを生む働きをした。この力を研究していたニコルの父は、世界征服を図るブラニックの兵器としてこの力が利用されることを拒み、殺されてしまう。アモンも捕まってしまうが、不思議な金の鷹に導かれて「心臓の島」にたどりつくのだった。
・・・ありゃりゃ、悪役がとっても悪役で、シーンが戦闘・軍事色いっぱいだったので、わがやのおねえちゃんは「こわい!」といってました。うーん、刺激が強すぎたようです。もっとファンタジーな作品かと思ってたのになぁ。意外。
ホワイトアウト(2000)
雪に閉ざされた奥遠和ダム。そこに勤務する富樫(織田裕二)は親友吉岡(石黒賢)と共に遭難者救助に向かったが、吉岡が負傷。救助を呼びに戻った富樫をホワイトアウトが襲った。救助が間に合わず吉岡を失った富樫は、吉岡のフィアンセ千晶(松嶋菜々子)に渡すものがあった。しかし、彼女がダムを訪れた日、ダムはテロリストに占拠され、雪に閉ざされた難攻不落の要塞となった。唯一の道路を封鎖され、完全に孤立したダム。下流の20万の住民とダム職員を人質に取った宇津木(佐藤浩市)に、富樫はたった一人で戦いを挑んだ。
「必ず戻ると約束したんだ」・・・親友に恥ずかしくない自分でいたい、ダムを守るんだ・・・とたった一人でテロリストと闘う富樫。雪山の厳しい雪の中、がんばってます。所見署の所長サンもとってもいいです。吉岡を見捨てた富樫・・・と思っていた千晶が最後に真相を知るところはぐっと来ちゃいました。「ダイハード」の日本版・・・という感じの映画。同名の小説が原作。
夢(1990)
黒澤明監督作品。「こんな夢を見た」という書き出しで始まるいくつかの物語がオムニバス形式で綴られていきます。
ロビリの『奇蹟の輝き』がこの作品とそっくりだ・・・といわれている理由がわかりました。確かに似てます。とーっても西洋人ウケする内容だなぁ・・・と思いつつ見てしまったとほほママでした。衣装デザインは『乱』と同じワダエミさんです!
いちげんさん(2000)
1989年、諸国を船で旅し、京都に住みついて留学生となっていたスイス人の主人公(エドワード・アタートン)。彼は目の見えない女性(鈴木保奈美)に対面朗読をするようになり、この女性と恋に落ちる。
日本のニュース番組の記者として活躍したデヴィッド・ゾペティの小説が原作。しっとりとした京都の四季とロマンチックな音楽が奏でるつかの間の恋の物語。ラストの夜桜のシーン、笑顔で別れ、一人で杖をついて歩いていく保奈美ちゃんの後姿がとっても印象的。『仮面の男』にも出演したエドワード・アタートンは日本に滞在した経験を持ち、流暢な日本語を操って見事に主人公を演じています。保奈美ちゃんの引退作品になった映画です。カムバックしてほしいなぁ。
秘密 おススメ
スキー旅行に出かけたもなみ(広末涼子)と母なおこ(岸本加代子)の乗ったバスが転落事故を起こし、二人は病院に収容される。なおこが息を引き取った瞬間に意識を回復したもなみだったが、もなみの体にはなおこの意識が宿っていた・・・。
だんなさん(小林薫)の首をなでて「そり残し!」というのが口癖のなおこ。もなみとして生きなければならないなおこは、「もう一度与えられた人生を精一杯生きたい」と、医学部合格までやってのけてしまう。広末涼子ちゃんが、娘の体に乗り移ってしまった妻の苦悩を好演。小林薫さんとの夫婦の息もぴったりでした。
プライド おススメ
東京裁判で死刑判決を受けた東条英機を描いた作品。連合国判事達の中で唯一全員無罪の判決を下したインド判事の目を通して、「勝った者が負けた者を裁く」という矛盾が描かれています。いやぁ、歴史音痴のとほほママはとっても勉強になりました。東条英機には津川雅彦さん、彼の弁護人には奥田瑛二さんが扮しています。
梟の城(’99)
梟は「ふくろう」と読みます。原作は司馬遼太郎。伊賀忍者の存在に恐れを抱いた織田信長は伊賀の村を襲撃させ、根絶やしにした。わずかに生き延びた者達は息をひそめて生きていた。そんな伊賀忍者の一人、世を捨て山奥で仏像を彫るつづら重蔵(中井貴一)のもとに、豊臣秀吉暗殺の依頼が舞い込んできた。謎の姫ぎみ小萩(鶴田真由)、武士として生きようとする元忍者風間五平(上川隆也)らを巻き込んで、忍びの者の悲しい生き様が描かれる。権力者秀吉までもが、自分もまた歴史に翻弄されている人間でしかないと語り、重蔵は人のはかなさと愚かさを笑うのであった・・・。
というわけで、まやかしに生きる忍びの者の悲哀を感じてくだされ。五平の幼なじみ木さるに葉月里緒菜さん、家康の手下服部半蔵に根津甚八さんが扮しています。
金融腐食列島 呪縛 とほほママおススメ
仲代達也さん、役所浩司さんの師弟競演と騒がれた映画です。とほほママが大好きな椎名桔平さんもでています。バブルがはじけ、不良債権を抱える金融機関の破綻や闇の部分が、連日新聞やテレビをにぎわせたのは記憶に新しいですが、その舞台裏を彷彿とさせるストーリーがこの映画。とてもシリアスでしぶい内容になっています。早口でまくしたてる台詞も、臨場感や緊迫感を出していてとってもGOOD。おススメの映画です。
鉄道員 ぽっぽや(’99) とほほママおススメ
かつて健さんとともに作品を作った東映のスタッフたちが、20年ぶりに、主演の高倉健さんのためにとった作品。同名の小説が原作。炭坑で賑わっていた町が時代と共にさびれ、やがて廃線の運命をたどるのですが、その終着駅を守る駅長(健さん)のぽっぽやとしての人生が、駅に現れた不思議な少女や親友(小林念侍)とのやりとりと回想を交えて、凝縮されて描かれています。健さんの妻役の大竹しのぶさんはさすが!恐るべき演技力。小林念侍さんが酔っ払って健さんに迫っていくシーンは、なんだか「男が男にほれる」を地で行く妖しい雰囲気までちょっぴり感じます。
就職戦線異常なし(’91)
大原君(織田裕二)は就職活動に無頓着な4回生。なんと無謀にもマスコミ就職を狙って奮闘する事となる。四苦八苦しながら本当の自分らしさを見つけ出していく主人公たちに拍手です。こうしてみると学生時代が懐かしい。いやぁ、この頃はまだバブルはじけてなかったのねぇ。それに織田君てやっぱいいわぁ。
踊る大捜査線 THE MOVIE(’98)
人気TVドラマの映画版。織田裕二君といかりや長介さんの刑事コンビ、不可解な2つの事件など、ブラッドピット主演の『セブン』や新聞をにぎわせた事件がモチーフになっているとウワサされました。プロファイリングなんかは『羊達の沈黙』にも似てるし。きょんきょんのキャラクターも強烈でした。それになにより織田君ってやっぱりいいっ。もちろんギバちゃんも。それから(いかりや)長さんは味があるねぇ、和製モーガン・フリーマンだ。
GONIN
借金で後がないディスコクラブのオーナー(佐藤浩市)が、組に納められたお金を襲撃しようと計画する。集められたメンバーは、すごくキレてる元サラリーマン(竹中直人)、男娼を装って金を脅し取る青年(本木雅弘)、元警察官(根津甚八)、パンチドランカー(椎名桔平)。5人の男たちの逃避行はどんな結末を迎えるのか・・・。5人を追うヒットマンにビートたけしさん、木村一八さん。キャスティングはなんだかとっても豪華です。